世界遺産講演会に

市役所ロービーのパネル
市役所ロービーのパネル

岩国市役所多目的ホールで開催された、

「世界遺産講演会」

300年前の木造建築

-同世代の建築からみた錦帯橋の技術-

に行って来ました。

講師は東京大学生産技術研究所教授

腰原幹雄先生です。

 

その前に

最近、前面に錦帯橋空港開講の横断幕をつけたバスが走っているのをよく見かけます。写真を撮りたいと思いつつも、その機会がありませんでした。

今日市役所の来てみれば、ロビーにずっと大きいのがあるではありませんか。

しっかり撮りました。ブルーがきれいで、錦帯橋と飛行機が良いですね!

 

元に戻って

この講演会は岩国ユネスコ協会も共催していて、受付や司会など市内の3高校の生徒がしていました。

かわいらしくて、爽やかで良いですね。

日本3奇橋と言えば富山県の愛本橋1663年 山梨県の猿橋17C 岩国錦帯橋1673年ですが、現在まで元の形を保っているのは、錦帯橋だけだそうです。錦帯橋の特徴には同じ形、同じ工法で建て替え維持していることがあるそうです。

現代の木造橋は工学に基づいて合理性や経済性を追求して、安全で安価なものが出来るようになっているそうです。

それに対して、錦帯橋は、経験学から出来ており、造ってみて、失敗すれば改良していき、試行錯誤の末に造られたものであること。問題は、経験学から出来たものが、現代の工学でも合理性を立証できるかという事だそうです。

江戸時代の橋の番付には西の大関に錦帯橋が位置づけられていたそうで、木造建築の構造技術からして、錦帯橋の35mスパンを掛け渡す技術は大変なことだそうです。寺院建築の大伽藍でもなかなか無いほどの大きさだとか。

木造建築の構造技術で重要なことは、材料の選定と木組みだそうで、

昔は地元の木材を工夫して使っていたのが、現在では地元で調達することは難しくなりつつあるとのことです。

一般的にアーチを造る時、巨大な木材を曲線状に刳り抜くか、曲がった木材を探すか、木材を曲げるかするのを、錦帯橋は直線を組み合わせて、曲線を造っており、他では見つからないそうです。地元の限られた材料を使い、工夫していった結果造られたのです。上に乗ると錦帯橋は自然に揺れるように造ってあるそうですが、地震が起きても、木造部分はほとんど問題無いとのこと。

橋台は昭和に掛け替えの時、コンクリートで補強してあるそうで、これを以前の石組に戻した時にどうなるか、これからの研究課題だそうです。

現在、木造建築を言う時、大工(技術)の不足を言う前に、材料の不足が大きな問題になっているそうです。この為森林を維持していく活動が行われているそうで、伝統を維持していくためには、その他の諸々の文化を大切に守る必要があるとのことでした。

一言:「大きな橋も、一本の双葉を育てることから」 

 

 

 

コメントをお書きください

コメント: 1
  • #1

    黒猫 (日曜日, 24 6月 2012 01:58)

    身近にあると、その有難さに気付かないものですね
    勉強になりました